尊
これまで蝶と共に描かれることが多々あったアンにふさわしいアーツ。2人の間に文緒もいるよ。絶対手に入れような。
というわけでFORTH SELECTOR出るので今回もやります。オールスター(以下AS)の〈アン〉目線でアン&美巧評価……をしようと思ったのですが、SRのアレ以外語ることがなさすぎたのでディーセレ初心者なりにそちらでの評価も入れました。
能力的な繋がりはありませんが折角なので《バタフライ・エフェクト》も見ていきましょう。
効果はルリグダウン+不特定シグニからのダメージ軽減。ASでもコスパ自体は良いのですが、正直この手の効果全体が今一物足りなくなってしまったのが現代AS。更に緑特有のアタックトリガーを許す防御であることや、基本的に相手のエースは止められないことなど穴も多いですね。
ディーセレならまぁリコレクト達成前から、軽いコストで2面守れることに助けられる局面はあるでしょう。前弾で登場したリミットを追加するアーツのサイクルは、向こうからルリグを寝かせながらリミット9を作られるため天敵となりそう。補足として、ダウン対象に「センタールリグ」という縛りがありません。超レアケースだとは思いますが、"相手の場にレベル1,2,3のシグニがいる中で、レベル1だけが【ダブルクラッシュ】を持っている"という状況でレベル2のアシストルリグを対象にすると、【ダブルクラッシュ】持ちだけを狙い撃ちにできます。1万回ゲームするうちの1回くらいは救われるかもしれないので頭の片隅に置いておきましょう。
〈アン〉で緑青の用意は無理です。
正調の成長 アン=フォース
圧倒的成長。顔の良さに圧倒的感謝。
リミット6、エクシード4、リコレクト4とAS的にはお世辞にもプレイアブルとは言えない要素の塊。アンはアーツ減らないし。後述しますが、アドバンテージ面の優秀さでも 《再調の彩蝶 アン=フォース》に勝てないのでやっぱり厳しい。
ディーセレではまず 【出】が良い。グロウコスト分を差し引いても3アド貰えるし、《回想の階層 アン=サード》のネックだった「どんなに頑張っても盤面を掃除されつくして、【自】に繋げられないとき」をカバーできます。アイディールは複数体の除去やランデスが出来るかは相手次第ですが、最低限でも1面バウンス。寧ろこれをケアするためにエナの支払い方を強制したり、《翠美姫 アン//ディソナ》がいるのに他色のシグニを出し難いという状況を作るのが本質か。アドバンテージを得つつ2面除去+α、そもそもカードプールにいること自体が相手のプレイに影響を与えると、限定リコレクトアーツとしては不足ない性能ではないでしょうか。
翠美 フレスコ
鏝張り付いてるのすこ
パワーで盤面を固める《翠美 モネ》と、シャドウで固める《聖美 デッサンパン》とを足して3くらいで割ったようなシグニ。単体の防御性能は中々ですが、マユキーの前ではただのバニラだよ。AS〈アン〉の非LBレベル1枠はまず《聖翠美 オリガミ》を入れたうえで他に何を入れるかという話になるのですが、正直《フレスコ》はどっちつかず。仮想敵を絞って《モネ》か《デッサンパン》を入れた方が良いと思います。
ディーセレでもこのどっちつかず感は足を引っ張るかなと。あまり下級の種族縛りを気にしないloth以前の緑ルリグや、キーセレ翠子みたいなデッキの方が活躍できるんじゃないかなぁ。
翠美 ペンデュラムアート
揺れろ魂のペンデュラム！天空に描け光のアート！
【自】は相手ターンを生き残る必要があるので普通には使いにくい。幸い美巧には《終末の回旋 チェロン》がいるのがありがたい。
【起】は汎用版《翠美 グレーズ》のようなパンプ効果。前回の記事での《グレーズ》の項にあるように《不可解な誇張 コンテンポラ》を12kバニッシュのような除去から守ったり、《卓越の象徴 ダビデ》の少し足りないパワーを補ったりできます。《グレーズ》と比べると修正値の低さ故に、《ダビデ》で12kに殴れなくて困る可能性は無きにしも非ずといったところ。しかし、レベル2を持つならレベル0ではないので、《催事の誘導 イベントポップ》でも手札に加えられるようになり使い勝手が少し向上しそう。
ディーセレではなんと言うか…出してる暇ありますか？って感じ。ただでさえ火力の確保に難儀する〈アン〉が攻撃の手を休めて良いゲームとは思えないんだよなぁ。《グレーズ》よりこれを優先したせいで《パープル・デイズ》に負かされたとかなったら嫌だし。
翠美姫 ムンクシャウト
「叫び」(作;エドヴァルド・ムンク)
作者の日記によるところの「炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さったような」幻覚を描いたとされる、歪んだ夕景を髪色に落とし込んでいるのは匠の業だと思いました。また雑学として有名な話だと思っていたのですが、「叫び」は「自然を貫く果てしない叫びを聴き」耳を塞いで恐れ慄いている様を描いた作品とされますが、このシグニは手の位置と言い、フレテキと言い、どう考えても彼女自身が叫んでいますね。
閑話休題。かなり凄みを感じますコレ。
まずは【常】、シンプルかつ細やかなパンプ。《グレーズ》、《ペンデュラムアート》と同様の役割ながら修正値がより小さいですが、メインフェイズのうちに場に出さなければならないことが〈アン〉にとっては少し手間を要したのに対して、こちらは《精華の清歌 アン・フィフス》の【自】で出すだけで良いので無理なく展開できる上、複数体に効果をかけることができます。但し、《ムンクシャウト》自身が生き残らなければならないので、例えば《ダーク・コグネイト》のようなアーツから《コンテンポラ》を守ることが出来ないことや、最低限すぎる修正値のせいで《フーリッシュ・マイアズマ》の選択肢を狭めてやれないことは気掛かり。
続いて【自】。緑美巧3体目のまともな打点能力。能力のステップは下記の順で進行。
- (強制)自分のトラッシュのシグニ1枚を対象aにする。
- (任意)aをデッキボトムに置く。
- (2を行ったのなら強制)aと同パワーの相手シグニ1体を対象bにする。
- (任意)緑1無1を支払う。
- (4を行ったのなら強制)bをエナに置く。
2,3をすっ飛ばしても4を実行できる気がするのだけど、一応回答待ちかな。で、ASで採用率の高い美巧のパワーはというと、
- 当然12kのレベル4
- 大体7kのレベル3
- 10k or 3k or 2kと極端なレベル2
- 逆に5kを擁するレベル1
といった具合なので結構柔軟に対応できます。8kは用意し難いですが、そこは《ダビデ》や《結団の決断 アン=サード》で対応しましょう。また、LB以外で無色エナを支払える初の緑美巧でもあります。まぁこの点を評価するのは《彫心鏤骨》を使わない〈アン〉だけですが…。除去として使わなくても片手間でリフレッシュからやんわり逃げたり、次ターンの《精歌》効果の装弾をしたり、除外効果から逃したり出来ます。まぁこれがアタックするより前に《メンダコ・ギロチン》されるんですけど。
最後にLB。ディーセレの緑Lv.3にありがちなアップバニッシュor【エナチャージ1】。ディーセレ的には安定した能力ですが、言ってしまえば良質コピペ。既存の美巧でも《翠美姫 アン//メモリア》や《翠美姫 コンテンポラ》が持っていた能力に今更掘り下げるところがあるのかと言われると……あるんだなこれが。
まずはそもそものASのLB事情について、基本的にディーセレのそれより弱いと言って差し支えないでしょう。ASではアーツはもちろんのことルリグは疎か、盤面にいないシグニまでもがディフェンスステップに能力を発揮し防御に貢献するため、LBで防御できるかどうかの影響度がディーセレより低いです。また、そう言った防御を封じられる耐性持ちや妨害能力持ちも多いため、下手な除去LBで面を空けるよりも1ドローするだけの方が、返しのターンによっぽど強い展開を作れる局面も多いです。それだけメインのカードパワーが高いので、必要とあればLB10枚未満みたいな構築もします。逆にディーセレのそれがよっぽど可愛く見えるLBだけを目当てに採用されるカードも極一部ありますが。当然のことながらメインが優秀でさえあれば、打点に干渉できるLBを持っているのは素直に嬉しく、そういうカードに恵まれているのが美巧という種族だったりします。
もう1点、「無闇にシグニを殴るべきでない」というセオリーがあります。大抵のASのデッキはエナから手札への還元効率が良いので、エナさえあれば理想盤面を形成し続けたり、デッキによってはより大きなアクションを取ってしまえますし、下級シグニがアドバンテージを得られる【出】を持っているだけなことも多いといった点から、よっぽど相手の手札が少ないときや、場に残すと厄介なシグニが相手でないかぎり不用意にエナを与えないほうが良い場合が殆どです。
そんなゲーム性の中でいざアップ除去のLB持ちが入るデッキにはどう対応すべきかというと、この場合はとりあえずシグニを寝かせた方が無用なダメージを防げるので安全なのは明白ですね。まぁ現状これに当てはまる〈白黒タウィル〉には大量のエナを使うアクションがないというのもありますが…。 〈アン〉の場合、《彫心鏤骨》などによってエナがあればあるほど生存ターンを伸ばせることや、《結断》の【出】のバリューを上げられたり、殴られ得な《チェロン》がいたりなど、相手にとって下級シグニを殴る明確なリスクがありながら、除去LBによって序盤から不要なダメージが発生すると《コンテンポラ》の圧力が上がるので、アップ除去LBの存在をチラつかせることが結構厭らしく効いてきます。まぁ実際のところ《壁面の芸当 グラフィ》みたいな粗無条件の除去まである〈アン〉に対して、リスクを負ってまでシグニを殴るかは微妙なところがあるでしょうが、それならそれでこちらのLBを透かさなくなるだけなので、噛み合いは間違いなく良さそうです。
ディーセレでも当然神。そもそもシグニを守りきれなかったら次ターンの攻めまで弱くなるデッキだったので、単体でレベル3に触れるのは偉すぎる。ついでの如く《翠美姫 スイボク》をパンプできるので、《翠美 テンペラ》で《ムンクシャウト》をパンプすればアーツやスペルに頼らずに触られ難い盤面を作れるのもグッド。
おしまい
GPも控えてるし、AS〈アン〉にもしっかり強化が入るし、次弾も楽しみですね。語ってきた通り《ムンクシャウト》は本当に凄い。SSR7枚買います。
因みに相手に殴るように暗示するってことは…
貴女ASでの使いにくさに少しだけ拍車がかかってしまうのよ
